「日本のクリスマス」はあと4日で終わる。
確か昨年のダイアリーでも同様のことを嘆いた覚えがあるが、この国はクリスマスクリスマスと浮かれるわりには、26日が明けた途端、一気に街はお正月モードにチェンジしてしまう。
キリスト教の国では25日を過ぎても新年の6日のエピファニー(公現祭)までの12日間、イエス様の降誕のお祝いは続く。クリスマスツリーの下で新年を祝う国に生まれたかったなぁ、、としみじみ思う時期が、今年ももう間もなくやってくる。
さて、、ここで今日もまた生地ネタをひとつ。何しろ私は、ショップのオープンにあたり、日ざしが夏の気配を帯びはじめた頃からクリスマス生地集めに奔走してきた。見れば何でもとりあえず欲しくなり、良い生地と見ればたくさん欲しくなり、すごく良い生地と惚れ込めばもっとたくさん欲しくなり、、という日々を送ってきて、いつのまにかすっかり「布ら-」なのだ。
直感的に美しいと思う布はもちろん、何かストーリーを持つ柄の生地には特に心を惹かれた。
この「The 12 Days of Christmas」という名をもつ生地は、その中でも最たるもの。英国に古くから伝わる、クリスマス好きの方ならきっとご存じの、それほどでもない方でもお聴きになればきっとどこかで耳にした覚えのあるキャロルの歌詞にまつわる絵柄のプリントされた生地である。
1日目は 梨の木に止まったヤマウズラ
2日目は 2羽のキジバトと梨の木に止まったヤマウズラ
3日目は 3羽のフランスの雌鳥と2羽のキジバトと梨の木に止まったヤマウズラ
4日目は 4羽の煤でよごれた小鳥と3羽のフランスの雌鳥と2羽のキジバトと梨の木に止まったヤマウズラ
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と、どこかで流行っていたゲームのごとく前の人が言ったものを足して1日ずつ進んでゆくという、子供の遊びに由来した歌。メロディーはご存じでも、その意外な歌詞には驚かれる方も多いことだろう。
12日間に出てくるものは様々で、最初は鳥ばかりかと思っているといつの間にか乳搾りのメイドとか踊る貴婦人とか笛吹きとか、集団で人間が出現するようになる。金の指輪などという光り物系も出てくる。
因にこれは12日間に「愛する人」が贈ってくれたものという設定。愛されるお方も大変である。。
この12の贈り物をめぐって、様々な考察やらパロディやらができているのもまた面白いし、米国の金融機関には毎年これだけ全部贈るといくらかかるかという「クリスマス物価指数」まで発表しているところがあるというのだから、ジョークの本場のお国のなさることにも度胆を抜かれる。
さて、お話は生地に戻って、、
その生地は淡いたまご色の地色に12の贈り物が一面にプリントされているが、立派なクリスマス生地であるにも関わらず、クリスマスらしいものは何一つ出てこない。煤けた小鳥だの飛び跳ねている貴族に、クリスマスを感じる方はこの国にいるのだろうか。
でも赤や緑のクリスマスカラーのさし色がドレスや木の葉に上手く使われていて、とても美しい。語学に自信のある方は、イラストの間に金彩で綴られた英文を読んでごらんになるのも楽しいかも。
このお話を某所でしたためか、この生地で作ったものは予想外の人気を集めて、みなほとんど嫁入りしていってしまった。クリスマス後も楽しめるクリスマスものの貴重な一品として追加制作をしたけれど、これはこの手のお話に興味がありそうな、さるお方へお贈りしようかと考えている。
そろそろ新年のご準備にこんなお正月用プレートを(^^)
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