< Christmas Museum*アドヴェント・ダイアリー2006




12月5日(火)

冬のおまじない

朝の外気。もし指でつついて音がするとしたら、きっと「キーン」と金属的な響きが返ってくるに違いない。そんな寒い寒い朝。
頭が痛い。ちょっと体も重い。薬を飲むほどではないけれど、何かが必要。

奔放に枝を伸ばした庭先のローズマリーの株に両手を差し入れて数秒間。そっと引き抜いた手を顔に近付けると、きりりとした芳香が鼻孔から全身に行き渡ってゆく。
さあ、今日も頑張ろう!
これが私の、冬の朝のおまじない。


仕事の打ち合わせも、買い物の予定も、外出する用事が何もない一日は、少しだけ主婦らしい雑用のあとは、パソコンに向かって過ごしている。
仕事、仕事、時々息抜き。行き詰まって効率が落ちたら、思いきってティーブレイク。
それでも抜けだせない時は、華奢なガラス製のディフューザーのスイッチを入れて、好みの精油の力を借りる。
見えない香りのシャワーを浴びるように。
これも私のおまじない。


ゆっくり眠りたい夜はラベンダー。常夜灯を兼ねてコンセントに差した小さな磁器製のアロマポットから立ち上る香りは、ほのかに、でも、そろりそろりとどこまでも漂っていって、家中の誰もに安らかな夢をもたらしてくれる。
みんなが好きな、我が家の冬の夜のおまじない。


さて、今夜はどうしよう。まだしばらくは片付かない仕事と奮闘中。ラベンダーは御法度。
でも夜更けて冴え渡る神経は、仕事向きには好ましいけれど、きっと体には過酷なんだろうなぁ・・・
そんな時は、ただただ、今心や体が求める好きな香りを焚く。それが私だけの冬のおまじない。

今夜はフランキンセンス。蝋燭の炎に、ゆっくりと温められてゆく素焼きのアロマポット。遠い街の冬の夜を思い出す香り・・・






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